今日は、ノーベル賞の授賞式がおこなわれる日。
アルフレッド・ノーベルは、スウェーデンの発明家かつ企業家でした。
ダイナマイトをはじめ、さまざまな爆薬の開発や生産により巨万の富を築きます。
そのため、一部から批判の声が上がっており、兄が死去した際には、フランスのある新聞が、死去したのはアルフレッドと勘違いし、「死の商人、死す」との見出しで報道されました。
この記事をきっかけにノーベルは、死後の自分がどのように記憶されるかを考えるようになります。
1896年12月10日に63歳で死去する、およそ1年以上前の1895年11月27日に書かれたとされる、遺言において、次のようなことが書かれていました。
「私のすべての換金可能な財は、次の方法で処理されなくてはならない。私の遺言執行者が安全な有価証券に投資し継続される基金を設立し、その毎年の利子について、前年に人類のために最大たる貢献をした人々に分配されるものとする」
残した金額は、総資産の94パーセントで、3100万スウェーデン・クローナくらいあったそうです。
はじめは、この遺言に疑いをもたれるも、彼の遺志を継ぐため、ノーベル財団設立委員会を結成するひとたちがあらわれ、賞設立の準備などが行われました。
その後も、さまざまな困難があったと思いますが、今も素晴らしい賞とされ、授賞式がおこなわれているのは、みなさんもご存知のとおりです。
ダイナマイトや爆薬。発明は、とても素晴らしいものだったけれど、時代もあり戦争など使われかたがよくなかった。
でも、新聞社の誤りもあり、ノーベル賞が生まれたことは何とも言えない巡り合わせだと思います。
設立されたかたも、大変だったと思いますが、おかげで多くのひとが情熱をもち、称賛されてきました。
私がふと、頭に思い浮かんだのは、比叡山にある戒壇院という最澄さんの想い。
自分では、叶えることが出来なかったけれど。お弟子さんが、きちんと受け継いでくれました。
すこし違うかもしれませんが、東京ディズニーリゾートなどディズニーに関わるものも、ウォルトディズニーの想いを受け継いでいるといえそうです。
大切なのは、それをつくろうとした気持ちだけでなく。受け継いでいく人たちの力だと思います。
きっかけをつくってくれた人が喜んでくれるような。たくさんの人が笑顔に、幸せになれるものを継承していく。
それが、さらに周りにいるひとたちにもよい刺激となり、幸せの種が広がっていく。
どれだけ多くのひとが幸せになれただろうか。全ては、それを成し遂げようとしたひとの気持ちから始まっていると思うと、何とも言えない気持ちになります。
そんなにスケールは大きくなくても、周りのひとを少しでも元気に出来るような、そんな遺言をひとりでも多くのひとの心に書き残せるといいですね。
あなたのおかげ。そう思っていただけたなら幸いと。