今日は、喫茶店の日。
上野に日本初の喫茶店、可否茶館が開業しました。1888年です。
庶民が自由に気楽に交流できる場をつくる。海外渡航し、アメリカで実際に見てきた経験をいかしました。
その背景には、上流階級のみ利用できる鹿鳴館をつよく批判する気持ちもあったようです。
可否茶館は、西洋館の二階建て。二階が喫茶店。一階にビリヤード。他にもトランプ、碁、将棋だけではなく、更衣室やシャワー室。
さらには書道や、手紙を書くための道具も常備。海外のものをふくむ新聞や雑誌。図書館のように書籍や書画も自由に閲覧できるようにしたそうです。
最後まで学校か喫茶店か迷っていたようですが資金もなく、少しでも儲ける必要があるため喫茶店を開業することにしました。しかし商売がうまくいかず、可否茶館は5年足らずで閉店しました。
人の想いが、こめられた場所。
この時代、この場所に感謝するひとの気持ちが伝わってくるようです。
楽園
喫茶店。みんなが、自分なりの楽しい時間をすごせる場所。
軽快な音楽のなか、食事を楽しむもよし。雑誌や、新聞を読む。注文したものがくるまで、ゲームを楽しめる場所もありました。
好きなゲームのテーブルが空いていると、それだけで嬉しかった。
クリームソーダと、焼きうどん。うどんの上で踊っている「かつおぶし」を見るのが好きでした。
美味しかったな。あの味に、もういちど出会いたい。
なくなってしまった時には、さみしかった。
でも今は、出会えたことに感謝しています。
面影
先日、生まれ育った町をGoogleマップで散歩しました。
いつのものか、分からないけれど。
それでも、すっかり変わっていました。
新しくなっているはずなのに。魅力を感じませんでした。
久しぶりに行きたいと思っていたけれど、その気持ちも弱くなってしまいました。
個人店が多かったからかな。
そこにいかないと食べることが出来ない味。見覚えのある人に再会する。
話したことはないけれど、その店の一部になっている人。
今もどこかで、だれかの大切な思い出の場所がなくなろうとしている。
そう思うと、何ともいえない気持ちになります。
今は食事をするだけかもしれない。会話をするときにはマスクをしなくてはいけないかも知れないけれど。
それもふくめて、大切なお店を守るための社会貢献。
まだあるうちに、食べに行けるといいですね。
お店のひとも再会できること、楽しみにしているはずだから。
この一年、本当に大変だったと思う。今もそうだと思うけれど、「わたしが来るまで、開いててくれて『ありがとう』」と伝えたい。