今日は、教育勅語(きょういくちょくご)が発布された日。1890(明治23)年のことです。
教育勅語とは正式には、「教育ニ關スル勅語」といい、教育の基本方針を記す明治天皇のお言葉。
その後、第二次世界大戦を経て、1948年(昭和23年)6月19日。衆議院と参議院それぞれにおいて「排除」と「失効確認」の決議がされたことにより、教育勅語は学校教育から排除もしくは失効を確認。謄本は回収し処分されることになります。
日本の教育に関する歴史をたどると1872年に学制が交付されたことにより、大学区、中学区、小学区と分けられたなか、一番多い小学校にあっては2万以上の開校。3年後には就学率が男子5割。女性2割ほどまで増えることになります。
しかし、その時代には農家を営む家庭も多く、金銭面だけの問題ではなく、働き手として大切な子供を学校に行かせられない現状がありました。
このため、地方にあわせ就学期間などが緩和できる教育令が1879年に公布されますが、のちに混乱をきたすことになります。
そこで、「幼少のころから、基本的な道徳を平等に学ぶべき」など、道徳教育の重要性を説いた、儒学者の元田永孚が明治天皇の信頼をえて、教育勅語にて自身の理念を表現しました。
何だか、今日は教育の歴史について語るような内容になってしまいましたが、気づいてほしいのは今あたえられている「教育」と「人権の尊重」についてです。
教育については、戦後に教育基本法にて教育機会均等や義務教育など示されたことにより、当たり前のように小学校や中学校へ通うようになりました。
もちろん、昔と同様に。農家など、自営業を継いでほしい家庭には、経済的にも労働力としても苦労される点はあると思いますが。
世のなかが目まぐるしく変化していくなか。取り残されることがないように、ある程度の教育は受けていたほうが、わが子にも家庭にも幸せをもたらす機会は増えると思います。
そのなかでも、大切だと思うのが道徳です。国語のような文章力とか、算数のような計算のように。明確ではなく、頭をつかうものではないけれど。
心が豊かになるため、大切なこと。小学校で授業を受けていた時には、NHKの教育番組を見る楽しい時間くらいにしか思っていなかったのですが。
家族や仲間、身のまわりの人を大切にする心を育てるには必要だと思っています。
人権の尊重についても、これが理由で教育勅語が廃止されたと言っても過言ではないもの。
内容として、父母への孝行や、兄弟と仲良くし夫婦は協調。友達とは信じあうことなどの他に。学問や仕事で知能を伸ばし、自分を磨くことで世の中や、国家のために働き、皇室の運命を助けるようにしなければならないと書かれていたことから。
戦争で、お国のため命をかけるよう、この文章が解釈され使われてしまっていたから。
大切なことだけれど、結果的に自分を犠牲にしてでも国のために生きるようなものになってしまいました。
問題なのは、解釈の誤りだから。うまく活用しようとしているところもあるようですが。
国のためではなく、自分の人生のために学びつづけ、活躍する場も選べるのは、それだけでも幸せだと感じませんか。
たった数十年、生まれた時代が違っただけで。学び方も、過ごしかたも大きく変わっていたはずですから。
明日は、衆議院選挙の開票日。みなさんは、投票へ行きましたか。
私たちが持っている投票できる権利。
今よりも少しでも、私たちが望む未来になりますように。権利は大切に活かしたいですね。
今までが、そうだったように。
これから、数十年先の未来を担うひとたちが、「この時代に生まれて良かった」と思ってもらえるよう。
今できること。ひとり一人の小さな行動がもたらす影響力を見つめなおしてみませんか。