麦秋至る(ばくしゅいたる)。小満の末侯。新暦で5月31日から6月4日ころまで。
麦が熟して、収穫する季節です。実る時期であることから、秋と表現しているようです。
お米と同様に、むかしから日本人の文化になじみがあった穀物。
この時期に降る雨を「麦雨(ばくう)」、収穫のころに吹くさわやかな風を「麦嵐(むぎあらし)」というなど、他にもたくさん麦にまつわる季語があります。
キラキラと、黄金にかがやく麦畑。
ふと頭に思い浮かぶかたも、いるのではないでしょうか。
自然が生み出す芸術品。
そのすがたを見るだけで、気分はグッとあがります。
むかしは今ほど、食べ物に恵まれていたわけではないため。天があたえてくれた恵み。
育てあげたひとからすると、その気持ちはよりいっそう強いと思います。
最近、気温が高くなってきている地域もあるため、これからの季節は水分補給に「麦茶」がいいですね。
また主食を「麦ごはん」にすることで、高血糖、高血圧、高コレステロール、便秘やダイエットにも良いといわれてます。
緑茶の新茶で楽しんだ後は、麦で季節を感じてみるのはいかがでしょうか。
びわ
5月ころから出回っている「びわ」は今が旬です。6月くらいまで。
傷みやすいことや、生産に適した地域が限られていることから、高級品となっています。
有名なのは長崎の「茂木びわ」で生産数も日本一。ついで千葉の「房総びわ」が有名ですね。
むかし漢方として、葉や果実いがいにも種子、花、根などもつかわれていたため、「大薬王樹」と呼ばれていました。
このつながりからか、びわの木は縁起が悪いとされていました。病人などが、びわの木を求めて集まるから。
今は、栄養価が特別たかいわけでもなく、そのかたちなどから「ご褒美」として買われることが多いようです。
びわが給食に出たときの気持ちを思い出します。
先日は、無性に食べたくなったため、びわゼリーを買いました。
たまには贅沢な、季節の感じかたをしてみようかな。
もしも皆さんが買ったときには、もったいぶらず、すぐに食べてくださいね。
いたみが早いのも、ありますが。
びわは、冷やすと甘さが落ちてしまうので。
美味しかったことは、あとで思い出すことができます。
勇気を出して。
一番おいしい状態の時に、いただきましょう。
麦の金色。びわのオレンジ。
今の季節は、新緑のイメージでした。
これからは新しい色彩が、心を染めるものに加わりそうです。
色から伝わるしあわせ。